Mobility as Living Systems

さまざまなモノ輸送(物流)に関するサービスを考えていく上で、そのサービスの新しい価値付けについて、生命的なシステムという観点から考察する共同研究を行った。

会社や個人から、会社から個人へとモノを輸送するサービスについて、非常に生命システムに似た発展を遂げつつあると考えている。車の渋滞(輻親)は、物流の自己組織的に引き起こされる現象で、車の速度や密度をパラメータとして、多くの研究がなされてきた。我々は、通常の渋滞のモデルにおける車の速度や密度に加えて、車がagentからモノを受取り、それをある目的地/agentに届けるというモデルを構築し、そのagentの数や動き、目的地の分布などを加味すると物流のパターンはどうなるかという考察を行った。特に2次元平面上で、車がagentからモノを受取り、それを別な場所まで移動する様子が可視化された。

この可視化は、人工生命研究分野で有名なAnt Colony Optimization (ACO) との類推を思い出させるが、それとの大きな違いは、ACOが全エージェントが行動を同期させることで餌の輸送が速くなるというのに対し、渋滞モデルでのそうした同期が輻躾の原因とされる点にある。ACOでの、いかに同期させるか、そのフィードバックを考えることになるが、渋滞のモデルにおいても輸送にとって悪いはずの同期現象が良く働くようなメカニズムが考えられないか、その点が議論された。

ここでは、むしろシステムの非同期性に注目して、協調現象を研究している点が新しい。この非同期であることは、global clock がないと動かないコンピュータのアーキテクチャとは異なり、空間的・時間的にスケールできるというメリットが考えられる。ALIFEシステム構築の上で、無限スケール可能性(indefinite scalability) は、今後ともたくさん議論されると期待される。