オルタナティヴ・マシンは「⼈⼯⽣命 (ALife) 」研究から⽣まれた理論や技術の社会応⽤に挑戦する研究者集団です。国内外のALife研究者とパートナーを組む、ALifeに特化した世界唯⼀のテクノロジー企業です。ALife の理論や技術の研究開発をはじめ、ALife の理論や技術を用いたプロダクト開発、アート作品の制作を行っています。
⾃律性、進化、意識など、あらゆる⽣命現象の原理を探求する研究分野です。1951年に現代コンピュータの基礎であるノイマン型コンピュータを生み出した天才数学者ジョン・フォン・ノイマンが、ALifeの初代モデルを生み出したところからALifeの歴史が始まりました。その後、ライフゲームのジョン・ホートン・コンウェイ、セルラーオートマトンのスティーブン・ウルフラム、遺伝的アルゴリズムのジョン・H・ホランドなど世界的な研究者たちに ALife の精神が引き継がれていきました。ノイマンの没後ちょうど30年後となる1987年にロスアラモス国立研究所で理論生物学者でありコンピューター科学者のクリストファー・ラングトンによって国際会議「ALIFE」が開催され正式な研究分野として立ち上がりました。ALifeは「生命とは何か?」を探求してきた数学者たちとコンピューターの歴史でもあります。
最適化や効率化を追求するテクノロジーのあり⽅ではなく、自律性や適応性、愛情や親しみ、存在感など、⽣命的な新たなテクノロジーのあり⽅を探求し、あらゆるものに生命性をインストールすることをミッションとしています。既存の理論や技術の単純な応用ではなく、ALifeの新しい理論や技術の研究開発を行い社会に実装して実験することを通して、ALifeの研究自体を加速していきます。
「⽣命」の定義が更新されるたびに、⼈類は⼤きなパラダイム・シフトを経験してきました。たとえば、ダーウィンの進化論が⻄洋の宗教、社会システム、芸術そして科学に⼤きな影響を与えたことなどは、その一例です。
そして今、「⽣命」はデータ処理する計算機であり、アルゴリズムだとする考えが科学技術の前線で主流となりはじめています。この考えは、⽣命科学の発展に⼤きく寄与し、さらには最新のAI技術などの開発を通じて現実社会に今にもにじみ出そうとしています。
しかし、データ処理が⽣命の⽬的だとすれば、「⽣命」が持つマインドや意識、そこから⽣まれる感情などは単なるノイズとして扱われ、私たちが⽇々体験する豊かな情緒、世界そして⾃⼰にまたがる意識も、無意味なものと解釈されてしまいます。
「⽣命」の⽬的をデータ処理という計算機のアナロジーに幽閉してしまっていいのでしょうか。マインドや意識さらには感情という⽣命特有の価値に、知性を優先させ続けていいのでしょうか。無機質な⾼知性アルゴリズムが社会を動かしはじめた現在、果たしてその延⻑線上に私たちの未来を描いていいのでしょうか。
今こそ、⼈類には ALTERNATIVE な選択肢、思想、価値観、技術が必要です。
日々、私たち ALife 研究者は、⽣命の特徴を抽出し⼈⼯的に再現することで「⽣命とは何か」という問いと向き合い、知りうる「⽣命」の枠組みを超えて、ありうる「⽣命」を探求しています。⾃律性、進化、意識などの再現が難しく相反する意見や感情が存在する問いにも恐れず向き合うことで「⽣命」の謎を再定義し続けることができ、それが次の⼤きなパラダイム・シフトにつながるはずです。
そして、その挑戦から学びえたことを社会に解放するために私たちは ALTERNATIVE MACHINE Inc.(オルタナティブ・マシン社)を設立しました。「⽣命」の概念を拡張する技術を社会に届ける⼈⼯⽣命研究者の集団です。新たな生命と世界のわかり方が、ここから⽣まれてくる、私たちはそのように確信しています。 今こそ、⼈類には ALTERNATIVE な選択肢、思想、価値観、技術が必要です。
池上⾼志 | Takashi Ikegami
取締役・最⾼科学責任者 / 東京⼤学⼤学院教授
理学博⼠。複雑系と⼈⼯⽣命をテーマに研究を続けるかたわら、アートとサイエンスの領域をつなぐ活動も精⼒的に⾏う。⾳楽家・渋⾕慶⼀郎⽒とのプロジェクト「第三項⾳楽」「Filmachine」(2006)「Alter」(2017)や、写真家・新津保建秀⽒とのプロジェクト「MTM」(2010)「LongGood-Bye」(2017)をはじめ、活動は多岐にわたる。著書に『複雑系の進化的シナリオ』(1997,共著)、『動きが⽣命をつくる―⽣命と意識への構成論的アプローチ』(2007)、『⽣命のサンドウィッチ理論』(2013)、『⼈間と機械のあいだ』(2016,共著)など。
⼟井樹 | Itsuki Doi
シニアリサーチャー / 東京大学大学院特任研究員 / 音楽家
1989年兵庫県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻修了。学術博士。社会性生物の群れの運動や人工システム内に創発する主観的時間などのテーマで研究をするとともに、アート/音楽作品の発表を行っている。 主な展示に『Blues』(Place by method, 東京, 2017)、『Bee Wee』(TALION GALLERY、東京、2020)、『陰影のリビジョン』(TALION GALLERY、東京、2021) 。主な作品に『Uonotayu』(CD, 2010)、『Peeling Blue』(CD, 2018)。 また、CM、インスタレーション、展示のサウンド制作及びソフトウェアプログラミングも手がけている。
ウェブサイエンス研究者の岡瑞起、コンセプトデザイナー/社会彫刻家の⻘⽊⻯太、複雑系科学/ALife研究者の池上⾼志により2017年6月に設立。「⼈⼯⽣命(ALife)」研究から⽣まれた理論や情報技術の社会応⽤に挑戦する研究者集団。 国内外のALife研究者とパートナーを組む、ALifeに特化した世界唯⼀のテクノロジー企業。 現在は、企業との共同研究プロジェクトの他、ダイナミクス⽣成エンジン「ALIFE Engine™」を始めとしたプロダクトの開発、アート作品の製作を行っている。
会社名 | 株式会社オルタナティヴ・マシン |
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設立 | 2017年6月 |
住所 | 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前6丁目23番4号 桑野ビル2階 |
代表取締役 | 升森敦士 |
取締役 | 池上高志 |
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